総合商社を退職し「地域共創」の道で突き進むワケ②

今回も取り上げるのは、我らがNOFATE株式会社のCEO(ちょっとええお父さんの略)の藤田雄也さんです!
岐阜県白川郷の事業でふるさと名品オブ・ザ・イヤーの地方創生大賞を受賞した輝かしい経歴を持つ藤田さん。大企業である伊藤忠商事を辞め起業するまでの困難やワクワク、彼の人生観まで、インタビューでお話を伺いました。※内容が非常に盛りだくさんになったので、3部に分けてお送りします。今回は第2部です!
第1部はこちら:インタビュー 藤田雄也 【第1部】

それではアクション!!

語り手: 藤田 雄也 (ふじた ゆうや)
NOFATE代表。CEOという肩書きの略は〝ちょいと ええ オヤジ〟
総合商社退職後、世界放浪をし、日本人の熱き魂を取り戻すために起業。年齢や肩書に縛られずに、意思があれば「何かはきっとできる」として数々の改革を実行・実現する。子ども心を大切に、自分に素直に生きている。

大切にしている価値観:
人間(動物)は環境の生き物です。
誰しもが本来持っている素質を活かし、情熱と創造性を大いに発揮できる土壌づくりが大切と考えている。眼が輝き、愛と夢と希望を持った人たちで溢れる地域・国にしていく。
目次

稼ぐことを考えるのは後、まずはどうやってお客さんを喜ばせるか

< 旅ジョブ時代:Sake Tasting 体験 >

ー 体験コンテンツ作りだけではマネタイズも集客も難しいと思うんですけど、どんなことをしていたんですか?

その通りです、体験コンテンツは思っている以上に儲からないんです(笑)
そこである時、海外の旅行EXPOに出向いて15社-20社くらいと面談して、営業しまくりました。旅行代理店のパッケージに体験コンテンツを組み込んだツアーは売れないのか?と色々と模索しました。
その中で富裕層向けに新しい旅行パッケージを提供する香港の旅行代理店の責任者と仲良くなり、何本もツアーを受注することができました。送客は先方が行い、ツアー設計と現地アテンドはこちらが手配していました。

ーどのタイミングからマネタイズを考えてましたか?利益が立つことを見込んで逆算的に事業を始めると失敗するから、相手のためになることを赤字覚悟で始めて、そこからその投資を回収していくイメージってよく雄也さん仰るじゃないですか?

この時はマネタイズなどは考えておらず、ブルーオーシャンを探していました。
あと、お客さんはどういった時に喜ぶのかに注目していましたね。そしたら自然と売上や利益もついてきました。これはアマゾンのジェフ・ベゾスも言っていますが、自社の製品やサービスを愛し、顧客を喜ばせることに熱中すると必然と大きな売上や利益は出てくるものだ、ということを実感した瞬間でした。

ー ツアー事業での大事なポイントはどこだったんですか?

ガイドさんですね!
ツアーはガイドさんの善し悪しがツアー成否の7割を占める、と言っても過言ではないくらい重要な役割です。野球で言えばピッチャーのような役割ですね。自社にガイドはいなかったので、ガイド探しから始まりました。直接会ったり、skypeで話したり、最終的にどなたに依頼するか決めました。最初関西ツアーを企画した時は大成功だったのですが、その次に手配した中部地方のツアーは大手会社のツアーを30年以上やっていたベテランのガイドさんでしたが、大ハズレでしたねー(笑)。
泣きっ面に蜂状態だったのは、そのツアーで我々がアレンジした部屋が気に入らないとお客様からクレームが入り、急遽次の日のホテルを変更しろという旅行代理店から依頼があり、今後の関係性も考えてホテル探しに奔走しました。手当たり次第電話して新しいホテルを予約したものの、キャンセル料や超直前の高いレートで利益はほとんど吹っ飛びましたね。

ー そこでもう契約終了でしょうか?笑

いや、そこから深い関係になりましたよ。
それ以降はガイド選定には気をつけて、ユニークな旅行プランを提供すると、旅行代理店からの信頼も増し、どんどん仕事も頼まれるようになりましたね。そしてその際に、白川郷のライトアップツアーの依頼があったのです。

白川郷オーバーツーリズム対策で地方創生大賞を受賞

< 白川郷:四季の変化 >

ー なるほど!それが地方創生大賞を受賞した”白川郷のオーバーツーリズム対策”の話に繋がってくるんですね!

そうそう!雪景色の合掌造りにライトアップされた光景を見るためのツアーは、出発前からお客様の期待値はめっちゃ高かったんですよね。自分たちもツアーに同行してみたのですが、ライトアップのイベント自体は現地の運営や体制が杜撰でした。

ガイドは素晴らしい働きをしてくれたんだけど、地域側のイベントマネジメントができていなかったですね。現場のオペレーションは回っていないし、お客様もどうしたら良いのかわからず、当日はパニック状態。合掌造り全貌を見ることができる展望台ではお客様が場所の取り合いでおしくらまんじゅう状態。ツアーのお客様からは「こんな場所2度と来ない」という厳しい声をたくさんいただきましたね。
※商社時代身につけたリスクマネジメントのお陰で、ツアーの中に飛騨古川の三寺参りというイベントを組み込んでおいたので、お客様のツアー全体の評価は下がることなく催行できました。

ー そうなんですね。課題はやっぱり地域にあったんですか?

観光客は白川郷に行きたいと思っているけど、中にいる住民からすると人が多すぎて煩わしいという現状が蔓延していました。いわゆるオーバーツーリズムってことですね。住民はそんなに観光客が来てもどうしたらいいかわからないと言っていました。ツアーを組んだ時に感じた、村に入った時のウェルカムでない空気感の理由に気づいてしまいました。

ー そこからどうやって地域に入り込んでいったんですか?

2017年には、自分たちが地域の受入目線として関わってみたらどう感じるだろうと思って、ボランティアで参加してみました。4週連続で毎週末現地入りして、英語中国語を話せるボランティアを全国から25名集めて対応してました。
その際、お客様の欲求や要望、不満点を聞き出すことに注力しました。実際現場に入ってみて感じたことは、当日の対応でどうこうできる問題ではなく、全体をマネジメントする制度設計が必要だということです。
イベントでのボランティア終了後、役場や委員会に提言したけど、結局実行する人がいないということが判明しました。

ー そこからどうしたんですか?

言いたいことを地域に言いすぎたせいか、ボランティアをクビになってしまったのが翌年の2018年。
仕方ないのでお客さんとしてライトアップに参加してみることにしました。駐車場での待機時間は長いし、現場スタッフの説明もよくわからないし、何より帰ってくる人の顔が楽しくなさそうでしたね。
でも自分たちが言うより地域の人たちが自分達で気づいて変えていくしかないなと思って特にこちらからアクションは起こしませんでした。

ー もう地域との関係最悪じゃないですか笑

いや、この時たまたま世界的にオーバーツーリズムがトレンドワードになり、観光業界の話題になったんですよね。
そのタイミングで、2017年ボランティア後に提案していたプランの実現可能性はどのくらいあるのか?と地域の人に聞かれ、2019年から完全予約制を導入していこうという形で話がまとまりましたね。イベントを開催し地方創生大賞をもらって評価してもらったけど、自分の中では大失敗でした。

NOFATEのビジョンは地域から生まれた

< 白川郷ライトアップイベント>

ー え、そうなんですか?!なぜでしょうか?

あくまでも自分達は外野だから、地域の人たちが自走してイベントを開催し、お客様の満足度をあげるための創意工夫ができるようにしないといけなかったね。そこでは、課題解決が目的ではなく、お客様が継続的にきてくれるように満足度をあげていかないといけなかったんです。

ー なるほど。だからNOFATEのミッションは”私たちが描きたい未来に向け、”いま”大きな冒険や課題に挑む”なんですね。

地域の人たちが地域の課題を自分ごととして捉えて、地域の人たちが自らの頭で考え動いていかなければ地域の未来はないと思います。
”なぜそのイベントをやるのか?続けるのか?”などもっと地域の人たちに強く言っておけばよかったと後悔していますね。また来たいと思ってもらえるような場づくりにしていくつもりだったのに結局、課題解決だけに止まってしまいました。

だから今では地域の人でもできるような形を作ることを意識していますね。

ー この白川郷のイベント設計の後にNOFATE株式会社に社名を変更したんですか?

そうですね。2019年2月にNOFATE株式会社に社名を変更しました。”体験”コンテンツ提供だけでなく、地域の人たちが自分ごととして地域を運営していくのに僕たちは何ができるだろうとか考えると、旅行ツアー設計だけでは足りないと思ったんですよね。さらに、飛騨高山の事業などはもう一人の松場に譲渡することになったから事業も色々整理したんですよね。

ー なるほど。白川郷の事業はもう地域の人で回していって欲しいと思って、現地法人である合掌ホールディングスを設立したんですか?

”地域で民間として動ける人がいるべきだよね”という背景で設立しました。そしてイベントだけで終わってしまうのではなく、地域の人たちを巻き込んでこれから色々やっていく組織にしたかったですね。

ー 具体的には何をしてるんですか?

メインの事業は「合掌造りの民宿」の発信と予約システムの提供ですね。地域の人は「こんなに古いところに誰も泊まりたいと思わないよ」と考えているが、インバウンドは「味があって格好いい建物だ」と考えているんですよね。FAX/電話での予約しかなかったから、そういったところの変革も事業内容にしてますね。

ー なるほどなるほど。

あとは、若手が地方創生に興味あるといいつつ、地域に若手がいないという問題も解消したいですね。若者の地域離れの原因は色々みてきたけど、”仕事自体は地域に存在するが、若い人たちがやりたい仕事とは合致していない”というところだと考えたんですよね。

ー 色々な経験やそこから生まれた課題感があってNOFATE設立に至ったということがよくわかりました!お話が面白くて、ちょっと思ったより分量が多くなってしまったので、NOFATE設立後のお話は次回に持ち越しということで!

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