[思考]
新しい観光のカタチ – レスポンシブルツーリズムとは?

今回は昨今世界中の観光分野で注目されているレスポンシブルツーリズムについて見ていきたいと思います。

観光に詳しくない方でも分かるように簡易的にまとめているので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

近年の観光の流れ

ロンドンの街並み

旅行や観光は時代とともにそのあり方を変えています。バケーションとしての観光が始まったのはヨーロッパで19世紀に遡ります。

観光の歴史としてはまだ200年も経っておりませんが、21世紀に入ってから様相が大きく変わっていることに気づいている方も少なくないでしょう。

日本の観光を例に取ってみると、ここ数年間でアジア諸国を中心にインバウンド(外国人旅行者)が急激に増えており、東京や京都など大都市圏に観光客が集中しています。

観光客が増えることは一見良いことのように思えますが、そうとも言えない一面も持っています。

それは特定地域に観光客が集中しすぎると、サービスの質の低下を生み、旅行者の満足度が下がってしまったり、環境汚染などにより地域住民の生活が危ぶまれてしまったりします。

これに関してはオーバーツーリズムに関する記事で詳しく述べていますので、そちらをご覧下さい。

[思考]
観光の負のスパイラル - オーバーツーリズムとは?

2020.07.12

このオーバーツーリズムと相反する観光のあり方としてレスポンシブルツーリズムというものがあります。

レスポンシブルツーリズムとは

日の出直前のウユニ塩湖

レスポンシブルツーリズムは直訳すると「責任ある観光」となります。

どういうことかと言いますと、旅行者が主体性や責任意識を持って行動する旅行という意味になります。

観光客、旅行者はあくまで客の立場ではありますが、「自分の行動が地域やその環境に対して負担をかけてしまうかもしれない」といった意識を持つことがこのレスポンシブルツーリズムでは求められます。

具体的に言えば、地球環境に対する配慮し、目的地までの移動手段として車ではなく電車やバスといった公共交通機関を使用したり、極力ゴミを出さぬようマイボトルなどを持参したりすることが挙げられます。

ただレスポンシブルツーリズムは何も観光客側だけの対応だけにとどまりません。

むしろ観光地や受け入れ地域側が取り組むべきことはたくさんあります。では受け入れ側にはどういった対応ができるのでしょうか。

地域側のレスポンシブルツーリズムとメリット

レンタサイクルで漁港を走る女性観光客

代表的なのは、地域側で来てもらいたい旅行者をフィルタリングすることでしょう。

誰でもウェルカム、という観光スタイルではオーバーツーリズムの二の舞となり、顧客の満足度が下がったり、地域住民の不満が爆発してしまったりと負のスパイラルに陥ってしまいます。

そこで来てもらいたい観光客像をペルソナとして明確にし、それに応じたサービスや規制などを設けるのです。

一例を挙げるとすると、地域産品をお土産に買ってくれた旅行者に対しては地域内の宿泊・体験施設で使えるクーポン券を贈呈する。

または、自家用車での来訪を抑制するため駐車場料金を値上げしたり、逆に電車やバスのチケットを見せると夕食時にフリードリンクサービスを付帯するなど、様々なサービスや規制が考えられます。

受け入れ側がこういった明確なフィルタリングをしていけば、来訪する観光客は徐々に理想像に近づいていき、顧客満足度の高い、安定した観光地経営が実現できるはずです。

メジャーな観光地を避け、特別な体験のできる地域を訪問する旅行者も日本人・外国人旅行者に限らず増加傾向にあるので、そういった背景からもレスポンシブルツーリズムを見据えたフィルタリングは有効かと思われます。

おわりに

今回は新しい観光のカタチとしてレスポンシブルツーリズムについて扱っていきました。

観光客はもちろん客ではありますが、これからの時代より主体性や責任意識を持ちながら旅行を楽しんでもらいたいところです。

また、地域側としては観光客の良い意味での選別、そしてそれにともなうサービス品質の向上を図り、全ての旅行体験をランクアップさせられるといいと思います。

白川村でも冬のライトアップを完全予約制にするなど、オーバーツーリズムに対する取り組みをすでに行っており、今後レスポンシブルツーリズムへの対応も進めていく姿勢でおります。