[インタビュー]
堀田カーペット:堀田さん

今回のインタビューではカーペット業界で、「カーペットを日本の文化にする!」をビジョンに掲げご活躍している堀田カーペット代表の堀田将矢さんをお迎えしております。
聞き手:子グマ

普通のことを少しだけうまくやる『コツ』

–簡単に堀田カーペットのご説明からよろしいですか。

堀田将矢さん(以下、堀田): 1962年に大阪府和泉市で創業して以来、職人とともにウールのウィルトンカーペットのものづくりと向き合ってきました。
1980年代には新築住宅の床面積のうち20%程度あったカーペットの暮らしが、現在はその1/100、0.2%にまで減少してしまいました。同時に、大阪泉州のウールカーペット産地でも、当時約400台動いていたウィルトン織機も現在では約20台程度まで減少。日本においてカーペット文化は途絶える寸前にあります。
そこで私たちは、日本にもう一度、カーペットの文化をつくることをビジョンとしています。

–確かに最近カーペットがある生活というのは、ほとんど見かけなくなりましたね。昨今カーペットの使用が激減した原因はどういったことが考えられるのですか。

堀田: カーペットはホコリやゴミがたまり健康によくない、というネガティブなイメージが広まったことが減少した要因のひとつ。ホコリはアレルギーの遠因とも言われるので、避けられるようになったのでしょう。一方で、音の問題を抱えていたフローリング用木質系床材の防音機能が高まったこともあり、日本の住宅でも一気にフローリングが主流になりました。しかし、誤解されていることも多いのです。

–なるほど、そういった事情があるのですね。
それでビジョンにあるように「カーペットを日本の文化にする!」と日々奮闘されているのですね!
その中で大切にしていることはありますか?

堀田:そうですね、すべてのはじまりは「動く」ということからですね。
「普通のことを少しだけうまくやる『コツ』」があるのですが、その前に絶対的に必要なことがあります。
それは「行動力」です。

–少しだけうまくやるというのは面白い発想ですね!

堀田:そもそも、『コツ』をつかむことが目的ではなく、「うまくやること」が目的なので、そのためには「行動」を起こさない限りなにも起こりません。そもそも『コツ』をつかむためにも行動は不可欠です。[/voice]

–行動するのが苦手、動くのが怖い、、、
という場合はどうしたらいいでしょう。

堀田:確かに動かない理由はいくつもあるのかもしれませんが、それでは何もつかめません。僕自身、今の自分があるのは、苦しいながらも動き続けてきたこと、今も動き続けていることで、少しだけうまくいくヒントがもらえていると思っています。

行動するための原動力は「危機感」と「意志」

 

–見習います!行動するための原動力はありますか?

堀田:2つあります。一つは「危機感」
「このままではいけない」というどちらかというと後ろ向きなパワーですが、この力は絶大です。そもそも危機感がない経営者はいないと思いますし、仮にうまくいっていてもふとした瞬間に、極端に不安になることも多いのではないでしょうか?危機感はずっとあるのですが、少なくとも行動することで不安は解消できます。誰かに会う、営業に行ってみる、現場を徘徊する、どんな行動でもいいのです。一歩前に進めると、何か知恵が浮かんできたり、頭の中が整理されることはあるはずです。

–ズシリと響きますね!

堀田:もう一つの原動力は「意志」。「危機感」に対して、「意志」は前向きなパワーです。不安からくるものではなく、何かやりたいことのために動いてみることです。僕の経験上、はじめは「危機感」で動いていましたし、いまもそのようなときはあるのですが、最近少しずつ「意志」で動くことが多くなりました。あたりまえですが、「やりたい」ために動くわけですから、何をするのも楽しいですし、誰に会うのも楽しい。そして「楽しい」は伝染するので、行動が結果に結びつくことも多くなります。

–楽しいが伝染するのはよく分かります!

堀田:「危機感」も「意志」もよくわからない。それでも動いてみてください。いつもと違うことを1つでもいいからやってみる。動かない限り現状は絶対にかわりません。

–行動するときに意識することはありますか。

堀田:それは、「自分で動く」ということです。経営しているとよくあるのが、「経営団体へのお誘い」や「銀行からの講演会のお誘い」です。僕は基本的に行きません。これに行くことも行動の一つなのかもしれませんが、この行動は誰かに促されたものです。自分で取りに行きたい情報ではなく、与えられる情報になってしまいます。当たり前ですが、取りに行く情報の方が圧倒的に自分の身になります。逆に与えられる情報でよくある話ですが、『コツ』ばかり吸収して、「やる」ことを忘れてしまいがちです。情報が多すぎて整理してやってみる前に、また別の情報が入ってきてしまう。これでは本末転倒です。

–よく分かります。現代は情報量が多すぎますしね。
現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の1年分、平安時代の一生分なんてデータもありますもんね。

堀田:情報は絶対に自分で取りに行くべきです。例えば銀行からの講演会のお誘いがあって、聞きに行きたいものがあったとすると、その講演者に自らアポをとって会ってみることです。

–勉強になります。具体的なエピソードはありますか?

堀田:僕が堀田カーペットに入社した10年ほど前、そのときはまったく何をやっていいかわからず、ただ漠然と「ブランディングがしたい」と思っていました。そのときにやった行動は、ブランディングに関する書籍を読んで、その著者に会いに行くということでした。会いに来られた著者には本当にご迷惑をおかけしたのではないかと思っていますが、それでも優しく対応してくださいました。そのときにお会いしたのが、gooddesigncompanyの水野学さん、エイトブランディングデザインの西澤明洋さん、スターブランドの村尾隆介さん、中川政七商店の中川淳さんです。もちろんお会いできなかった方もたくさんいますが・・・。皆様にお会いして、今の堀田カーペットの現状、ブランディングやりたいという思いのたけを、ただひたすら聞いていただいたと記憶しています。その中で、実際にお仕事になっていったのが中川淳さんです。今でも僕の経営の師匠です。

思っているほどハードルが高いものでもない

–錚々(そうそう)たる方々ですね!怖気付かなかったのですか?

堀田:行動する、ということは勇気がいることだと思います。でも皆さんが思っているほどハードルが高いものでもありません。経営を揺るがすほどのお金をかけない限り、行動したことは自分自身の自信になりますし、「がんばっている」というまわりからの評価につながることもあります。ときには、冷たくあしらわれることもありますし、お会いしても何もしゃべることができない自分自身の不甲斐なさを感じることもあります。それでも、「次会うときにはちゃんとしゃべれるようになろう」というモチベーションにつなげていけばいいのです。実際に僕がお会いした方々に次にあうときは、少しでも成長した姿を見てもらおう、と心がけています。

–目標や目的を達成するために行動することの大切さがよく分かりました。
それにしても堀田さんは熱量がすごいですね!

堀田:確かに僕はお会いした方によく「熱いですね」といっていただきます。でももともと熱かったわけではありません。「行動」を積み重ねている中で、「熱い想い」が、芽生えてきました。僕は堀田カーペットに入る前は別の会社で働いていたのですが、そのきの上司に言われた言葉に、「『知恵』、『情熱』、『意志』があるのが仕事だ!」と言われて今でも意識しています。この中で唯一教えられないのが「情熱」だと思っていますが、「情熱」は「行動」からしかうまれないと思っています。

–なるほど。行動ありきの情熱ですね。本日はとても参考になるお話ありがとうございました。
最後に読者の皆さまへメッセージお願いします。

堀田:最後までありがとうございました。
とにかく動いてみましょう。必ず何かがかわるはずです。

堀田将矢さんプロフィール

堀田カーペット株式会社 代表取締役社長
1978年大阪府生まれ。
北海道大学経済学部卒業後2002年にトヨタ自動車株式会社入社。
2008年に堀田カーペット株式会社に入社。
2017年2月3代目代表取締役社長就任。

2016年にウールラグブランド「COURT」を立ち上げ、全国の家具店や雑貨店でお取扱いいただいている。また、自邸「カーペットの家」を2015年に竣工し、自ら「生活者」としてカーペットの暮らしを体感し、カーペットの暮らしのショールームとしても、多くのお客様にカーペットの啓蒙活動を続けている。
 
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