[キーワード]メディアに踊らされるな!コロナウイルスの正しい恐れ方

新型コロナウイルスが最初に確認されてから早1年が経過していますが、感染者数・死亡者数ともに増加していく一方で、未だ収束の目処は立っておりません。

ウイルスに罹患し苦しい思いをすることは誰もが望まないことでしょうし、それ自体を不安視している方も多いことでしょう。

ただ地方部など感染者数が比較的少ない地域ではウイルスではなく人・社会に対しての恐れを感じている人も多いようです。

具体的にどんなことへの恐れかと言うと、感染者本人やその家族に向けられた誹謗中傷です。

それにより自殺を図ってしまったという最悪のケースもあるようですが、これは本来あってはならないことです。

恐れるべき、憎むべきはあくまでウイルスであって、人ではありません。

今回はそのような誹謗中傷の被害者そして加害者にならないために、正しくコロナウイルスを恐れるためにどうすればよいかお伝えしていきたいと思います。

危険を煽るマスコミの報道

どの報道番組を見ても、連日のようにコロナの感染者数や死亡者数を取り上げています。

その報道自体は悪いことではありませんし、むしろ「社会の今」をありのままに視聴者に伝えるという意味で、メディアの大義を果たしていると思います。

ただどうしても疑問に感じてしまうのは「過去最多を更新」「火曜日最多」「○日連続×人超え」といったワードです。

これらのワードは視聴者の関心を集めるためだけに用いているようにしか思えず、必要性を感じられません。むしろ偏向報道とさえ思えてしまいます。

どんなメディアにおいても視聴者数や視聴率を稼ぐことは大切ではありますが、コロナ報道においてもそれを実践すべきかは正直疑問なところです。

ただどう転んでもこの状況は変わらないと思われるので、視聴者自身が情報を正しく取捨選択するメディアリテラシーが必要なのではないでしょうか。

日々の感染者数・死者数に一喜一憂することなく、その情報から自分がすべき最善の行動は何か「自分で」考えることが大切です。

正しくコロナウイルスを恐れるためにはまずメディアの情報を全て鵜呑みにしないということを実践してみるとよいでしょう。

リスクマトリクスとは

次にご紹介したいのはリスクマトリクスというものです。

例えば航空機や列車の安全を考える場合、まずその安全を脅かす要因をすべて洗い出します。

航空機の場合その要因は膨大な数となりますが、その個々の要因(飛行中落雷に遭遇するなど)について、どの程度のリスクがあるのか、またどの程度の頻度で発生するかの二面から解析していきます。

その解析結果をまとめたものがリスクマトリクスであり、下図のように表されます。

正しく恐れるとは -リスク評価について-|エコリク

横軸にリスクの深刻度を、縦軸にリスクの発生頻度をそれぞれ取っています。この深刻度と発生頻度は評価の対象によって変わります。

例えば、鉄道システムで「破局的」とは複数の死者や深刻な車両や周辺環境の破壊が発生、「軽微」とは少数の軽傷者、軽微な車両や周辺環境の破壊が発生、などと区分します。

一方、発生頻度の「しばしば」は1年に10件以上、「あまり起こらない」は1年に0.01件(100年に1回)以上と分類されます。

R1からR4はリスク分類で、R1は極めて被害が深刻で許容できない、R2はR1ほどではないが重大な被害が生じ望ましくない、R3はリスクの軽減策があれば容認できる、R4は大きなリスクは考えられない、とそれぞれ評価します。

航空機や列車では一つの装置の故障が破局的な被害を引き起こすとき、その装置は使わない、または被害を軽減する手段を追加してリスクレベルを少なくともR3まで下げることが必要となります。

ここまででリスクマトリクスについてはご理解頂けたかと思います。次にこのリスクマトリクスをコロナ感染症に当てはめて考えてみましょう。

コロナのリスクマトリクス

ある一人が新型コロナウイルスに感染そして死亡するリスクを評価します。

公式資料や文献などからコロナ感染症に関する主な数字を上げると以下のようになります。

  1. 感染者の割合:7% ※a
  2. 感染者の重症化率:2% ※b
  3. 感染者の死亡率:20代0.0%、40代0.4%、60代4.7%、80代28.3% ※c
  4. マスクの効果 感染率79%減 ※d

まずその人が1日100名の方と濃厚接触するとしましょう。1から接触した100名のうち7名を感染者とみなせます。

感染者と濃厚接触したときその人自身が感染する確率について現時点で明白な情報はないようです。

そのためここで確率を50%と仮定すると、7名との接触で99%以上の確率でその人も感染することになります。

しかし、2から感染者の重症化率は2%のため、98%の確率でその人は無症状又は症状軽微となり、リスク深刻度は上図リスクマトリクスの無視か軽微と判断できそうです。

ただし、3の死亡率は年齢が40代以下の方は低いですが、高齢になるほど高くなるため注意が必要です。

さてここで、感染リスク低減のためマスクを着用することにしましょう。

すると、4から感染率は80%近く低減できそうです。さらに、濃厚接触者数を1日10名に減らすと、感染の発生頻度は約0.02程度となり、リスク頻度が2段階下がると考えられます。

すなわち、リスク深刻度が軽微又は無視の人々のリスクレベルはR2またはR3となり、少なくとも極めて深刻な被害を覚悟するレベルではなくなると言えます。

ただし、高齢者の場合、感染後の死亡率は大幅に高くなり、R3レベルまでリスクを下げるのは容易ではなさそうです。

以上、新型コロナウイルス感染症にリスクマトリクスを当てはめてみた結果でした。

こうやって考えてみると、コロナのリスクは年齢や行動などで大きく変わることがご理解頂けたと思います。

メディアについては先述した通りで、感染者数が増加しているといったいわば危険を煽る報道だけに注視してしまうと本来自分が取るべき行動を見失ってしまいかねません。

自分の年齢や日常生活での濃厚接触の頻度などを正しく把握し、自分でリスクレベルを分析した上で、普段の行動を考えることが重要となるのです。

それこそがコロナを正しく恐れることにつながるのです。

悪いのは感染者ではなくウイルス

最後に冒頭でも述べたお話を強調して本記事を終えたいと思います。

リスクマトリクスの考え方は非常に有効だと思うので、ぜひ実践して頂きたいのですが、どんなに注意をしていても罹ってしまうこともあるでしょう。

ではその責任は誰にあるのか?個人?政府?病院?これを考えること自体不毛なことでしょう。なぜなら答えはないからです。

ただ一つ言えることは、恐れるべき、憎むべきものは他の誰でもなくウイルスということです。

そしてそのウイルス自体も過度に恐れる必要はありません。自分の年齢や普段の生活からどれほどのリスクがあるか考え、適度にメディアの情報を取り入れながら自分の意思で行動を選択していきましょう。

コロナ収束まで今しばらくかかりそうですが、それぞれが正しい行動を実践し感染者など立場関係なく他者への思いやりを持って行動していってほしいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。

【参考記事】

正しく恐れるとは -リスク評価について-|エコリク

【参考資料】